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2009年9月 8日 (火)

風と陽光(ひかり)のエリア~3~

有明埠頭 午後6時30分発高知行きフェリー「さんふらわ~」

入学式の夜、私は、フェリーの甲板にいた。
車層には、旅装備を整えたCBがロープで固定されている。

学生課に「休学届け」を提出すると、バイト先だったオートバイショップに行き、
預けておいた荷物とCBを受け取った。
「親父さん、お世話になりました。」
「これから、発つのか?」
「はい、明日の朝にはばれますから・・・」
「親御さんには、言ってないんだよな?」
「はい、無駄にしてしまう一年分の授業料と手紙だけ置いてきました。」
「そうか。いいか、人だぞ、人。人に会うんだ。景色を見るだけなら
 写真だって、テレビだっていいんだ。人に会うことで旅の価値が決まるんだ」
「はい。じゃ、行ってきます。」
「おう、一年後、旅の話、聞かせろよ。楽しみにしてるぞ。」

まず、父と母の生まれ故郷であり、あの「坂本竜馬」の生まれた高知に向かった。
旅の始まりは、自分のルーツであるところから始めたかったのと
竜馬の銅像に、旅立ちの報告をしたかったからだ

高知に上陸すると真っ先に桂浜に行き、
人がいなくなるのを待った。
竜馬の銅像の前に座り、同じ海を見ながらつぶやいた。
「竜馬さん、僕は間違っているのでしょうか?」

「まちご~ちゃ~せん。まちご~ちゃ~せんぜ!!
 人っちゅうもんは、本なぞ広げて、言葉探すがより
 旅に身を置くん方がふと~なるもんじゃき」

そのとき、確かに竜馬の声を聞いたのを覚えている。

そのから、九州に渡り、その後、日本海に沿って北上。
その間にいろんな人に出会った。
ワタリ稼業のお兄さん、
アル中を克服するために徒歩で旅をしているおじさん
雨宿りに軒を借りた家のおばちゃんは、
たくあんとおにぎりを出してくれた。

本州が梅雨入りするころ、
私は函館のフェリーポートに降り立った。

そう、夢に見た北海道。そして、運命の地に・・・

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